BLOG

オーダー家具の価値

これは先日納品した本棚です。
結婚をして新築を建て、いずれ子ども部屋になる所に、本棚を置きたいという事で私は現場寸法を測りに行き、お客様の要望や予算などを伺い、後日いくつか提案してと、スムーズに話は進んでいきました。
所が写真では隠れているのですが下の方にテレビの線とコンセントがあり、子ども部屋として使用する時にこのコンセントを使用するのではないかと感じました。打合せでは特に何も言っていなかったのですが、数年先にそうなった時に使えるようにしてあげたいと思いました。
そこで提案したのがこの本棚です。この本棚はビスを外せば簡単に棚板を取り外す事ができ、テレビボードとして使用できます。デザインはいくつかスケッチをしてイメージは出来ていましたが、簡単に取り外しが出来る仕組みと強度の面で随分悩みました。工場の職人さんとも打合せを繰り返し、お客様に提案したら、なるほど!と。まさかそんな事が出来るとは思ってもみなかった様でとても気に入ってくれました。
私が家具を考える時に大事にしているのはお客様が何を望んでいるか、です。それは口頭で言った事だけではありません。言われたものを作るのは当たり前。お客様が何を大切にしているか、家具デザイナーとして言われた事を踏まえそれ以上のものを提案する事こそが、私の仕事の本質であると思っています。
世界にたった一つだけ作るので決して安い買い物ではありませんが、それ以上の価値を提案する事で、安く感じることもあります。
もちろん雑誌に載ってる、こんな家具を作って欲しいという方も見えますが、それでもサイズや素材など、そのお客様の為だけに考えて提案する事で、それはオリジナルとなります。
苦労は絶えませんが、本気で向き合って提案した家具はお客様の心を満足させます。今後も私に出来る最高の家具を常に発信していきたいと思います。

素敵な建築

美術館に行った時、美しい美術品があると思って行きますよね。

何かのイベントやお店に行く時は「そこ」に素敵なモノがあると思って行きますよね。

それは当たり前の事で人は常に何か目的を持って行動しています。その為、目的が満たされれば「良かった」と感じます。

ところが今回アップした写真は、私がポートメッセ名古屋のイベントへ行く為に利用した金城ふ頭の立体駐車場です。
駐車場を目的として出掛ける人はまずいないと思いますが、車で行くならば必ず必要になる場所です。
仮に何処にでもありそうな普通の駐車場でも「駐車場が良くなかった」と言う人はあまりいないと思いますが、普段意識しない所が素敵である事で、人の印象は大きく変わります。

特に今回の私の様な場合、そこにいる事が居心地良く思え「また来たい」と思わせてくれます。あくまで「駐車場」なので機能面が重視されますが、少し緑をおいたり、少し明かりを取り入れたりするだけで見栄えは全くかわります。
これからの時代、単に素敵なモノを作るのだけではなく何処に作り、利用者にどう感じて貰うか。という事が重要になってくると感じました(*^_^*)

またこういった場所があると、本来の目的すらもより良く感じたりしますしね。

岐阜県の木を使うということ

私は岐阜県の証明材使用の許可を得ていますが、証明材って何?同じ木なのに何が違うの?と思われる方も多いと思います。
かつて木材は木こりが一本ずつ切り倒し、何年も乾燥させて初めて、材料として使用してきました。しかし機械産業が発達し、平地に生える木々は大型の重機でまとめて伐採し、機械でいっきに乾燥、製材するようになりました。おそらくよく目にする木材は、そのように加工されたものがほとんどです。
勿論それが悪い木という訳ではありません。でもこの岐阜県では山が多く、大型の重機は山に入れない為、昔ながらの伝統と技術を駆使して森林を切り倒します。
その分どうしてもコストがかかってしまいますが、職人が見極めて切り倒した木材は質もよく、長く使用する事に向いています。それを管理した木材を岐阜証明材と呼びます。
もちろん海外にも素晴らしい木は沢山ありますが、岐阜県では「地元で採れた木を使おう」という動きがあるのでこの制度があるのです。
何か一つくらいは証明材のモノがあっても良いですね〜^_^

再利用から生まれるデザイン

木材は良い商品を作るほど、使用出来ない材料が沢山出ます。かつてはそれで良かった時代も今は「如何に無駄なく」という事も求められます。
今回、材木屋さんから出るいわゆる廃材を上手く木取りして、カッティングボードを作ろうと思います。さすがに腐食していたり、傷んでいる箇所は使えませんが、よく切り払われるノタの部分など風合いを生かせば、面白そうなデザインになりそうです。全て違うカタチをしているので、ひとつひとつ、木を見て描いていかないといけませんが、出来上がりが楽しみです^_^

県産材の子ども椅子、完成

他にも頼まれていたので時間がかかりましたが、ようやくオーダーの子ども椅子が出来ました。

デザインなど全てお任せと言われ、丁度仕入れたての県産の杉があったので使用させて頂きました。しかもこの杉は以前ブログでも紹介した黒芯の杉。
綺麗に整った目とは正反対の荒々しい目で、これを上手くデザイン出来ないか考えました。

木目が荒々しいのであれば、それに対比する落ち着いたカタチの方が良いかと。そして荒々しい杉は大胆に35mmの厚みを持たせて楕円形で包む事で迫力ある温もりをイメージしました。

もちろん機能性も考えています。
2歳になるお子さんとまだ生まれたばかりの子がいると言っていたので、下の子が大きくなった時に二人仲良く座れるよう、横幅を広くしたベンチの様にしました。

見た目こそ荒々しいですが、杉は質感が良いので見た目とは違う温もりがあります。
気に入って貰えるといいな〜^_^